ラスベガスを出発した私達は、サルベーションマウンテンを目指して南下していきました。
ネバダ州からこの旅最後の州、カリフォルニア州へ入ります。
検問所に少し緊張
ネバダ州とカリフォルニア州の州境には検問所がありました。今までの横断旅でいくつもの州境を通過してきたけど、検問所を通るのはこれがはじめてです。ちょっとどきどき。
女性の検問官に、果物など持っていないか?と聞かれ「No」と答えたら特に車内を調べられることもなく通過できました。
後々調べたら、この検問所はカリフォルニア州に外来種が入らないように検問しているのだそう。
まるでマリオカートのチョコマウンテンような道
カリフォルニア州に入ってから運転を交代。
私の運転した道で今でも忘れられないほど印象的な道がありました。まるでマリオカートのチョコレートマウンテンのような道がしばらく続きました。
わー!何これー!楽しいー!!
って騒ごうとしたけど、他のみんなは爆睡中。(疲れてたんだね。笑)
「車窓撮影したGoProを後で見せてあげよう」と、一人で景色を楽しみました。
で、後になってGo Proを見返してみたら撮れていなかった。泣
なので写真はないけど、記憶を辿って調べたらこの辺り↓
「ボックスキャニオンロード」という道でした。
そんな楽しい道を走り終えると、いきなり広大な湖が現れました。
Salton Seaという名の塩水湖
今日の目的地はサルベーションマウンテンだけど、なんだかこの湖が気になりました。
湖なのに名前に”Sea”がつくのもなんだか不思議。
調べてみたら、近くに”Bombay Beach”という観光スポットがあったので寄ってみることに。
Bombay Beachのアート
Bombay Beachに着きました。
なるほど観光スポットらしい…というか、独特の雰囲気を放っていました。
誰かが作ったアートが、砂浜に点々と展示されていました。
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これ一体だれが作ったの!?面白すぎる!
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砂浜にソファーだけ、というアート。粋
そして二人がとても絵になる!笑
もう1組来ていたカップルも、この異様でありながら斬新なアートたちを見て「Here is Amazing!」と興奮していました。
しかしここ、車を降りたときから感じていたけど、かなり臭い。
どんな臭いかというと、ツーンとするような魚の腐敗臭。
Salton Seaは汚染された人工湖だった
琵琶湖より一回り大きいSalton Seaですが、もともとこの辺りは砂漠だったそうです。
1905年にコロラド側が豪雨で決壊して、Salton盆地に水が流れ込みました。
同じタイミングでSalton盆地の用水路工事をしていた会社が、その洪水を食い止めようとして失敗。さらに大量の水が流れ込み、Salton盆地は”Salton Lake”となりました。
人気のリゾート地として栄えた
このように出来上がってしまった”Salton Lake”ですが、当初は淡水湖のリゾート地として有名になりました。
湖畔にはホテルが建てられ、数種類の魚も放流されました。ボートを浮かべたり、釣りを楽しんだり、家族連れの観光客で賑わったそうです。
上がり続ける塩分濃度
Salton Lakeには、その後もホワイトウォーター川、アラモ川、ニュー川から水が流れ込み続けました。大昔に海だったこの土地は塩分を多く含みます。その塩分が水と一緒にSalton Lakeに大集結。
さらに、水の逃げ場がない&気温が高いという悪条件が重なり、Salton Lakeの水はどんどん蒸発していきました。
こうして塩分濃度が上がり続け、今では海水よりも多くの塩分を含む”Salton Sea”となったのです。
農業排水が流れ込み、かつて放流された魚は死に絶え、バクテリアが異常発生。人も訪れなくなり、寂れたリゾートとなってしまいました。
Bombay Beachの町の様子
私たちは去る時に湖畔の町を通り抜けましたが、まるでゴーストタウン。かつてリゾート時代に移住してきた人々が住んでいたのでしょう。時々若者がスケートボードをしていたり、路上でバスケをしているのを見かけましたが、空き家がほとんどという印象でした。
かつて栄えたリゾートの「今」に触れた
もともと行程に含まれていなかったSalton Sea。この旅を終えてもなお、時々この場所の独特な風景を思い出したくなるのです。
私たちが旅をした後も、ここの砂浜には新しいアートが作られ、飾られているらしい。
廃れてしまった今でも、この場所に何か想いや愛着があって、通い続ける人がいるのでしょう。